国立西洋美術館開館60周年記念 ル・コルビュジエ 絵画から建築へ―ピュリスムの時代
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吉野 舞依子です。
20世紀を代表する建築家、
ル・コルビュジエ(本名:シャルル=エドゥアール・ジャンヌレ)。
フランク・ロイド・ライト、
ミース・ファン・デル・ローエと並び
「近代建築の三大巨匠」のひとりに数えられる
ル・コルビュジエの原点に迫る展覧会
「ル・コルビュジエ 絵画から建築へ―ピュリスムの時代」
が国立西洋美術館本館にて開催。見に行ってきました。
近代建築の代表ともいえるべき人ですが
ルーツをたどれば、
コルビュジエと
画家のアメデ・オザンファンは、
機械文明の進歩に対応した
「建築と総合」の芸術を唱える
ピュリスム(純粋主義)の運動を開始。
絵画制作に取り組みながら
新しい建築の創造をめざしたル・コルビュジエは
20年代パリの美術界の先端を行く
芸術家たちとの交流から大きな糧を得て、
近代建築の旗手へと生まれ変わっていったのだそう。
今回絵画の展示はとても見ごたえがあり
コルビジェのルーツを深く感じるものでした。
今回の作品展では
建築家としての要素だけでなく
芸術家としての要素や作品が
ふんだんに盛り込まれている展示でした。
特に印象的なのが
近代美術と建築の融合という視点。
近代美術の巨匠たちの絵画・彫刻と、
ル・コルビュジエの建築空間との融合は、
国立西洋美術館本館が
ル・コルビュジエ設計であるからこそ
の見どころでもあったと思います。
絵画、建築、都市計画、インテリア・デザイン
といった広い領域での「近代の精神」の実現を目指す活動。
それらをつねに支えていたのは、
「人間に自由と幸福を与えるのは芸術であり、
建築こそもっとも高貴な芸術である」
という信念から成り立っているものだったのだそう。
「国立西洋美術館」を含む、
7カ国・17の建築が「ル・コルビュジエの建築作品」として
世界文化遺産への登録されています。
建築界の巨人、近代建築の始祖、
20世紀最大の建築家-さまざまな呼称を冠せられるル・コルビュジエ。
そんな彼が、提唱したモダニズム建築(近代主義建築)。
単に従来の建築を伝統から切り離したり、
装飾を省略するというだけではなく
合理性をモットーとする考えや、
普遍的な「空間」の概念を導入した
「社会の現実に合った建築を作ろう」とする
近代建築運動のコンセプトは、
世界中に浸透し現代でも多くの国々で指示されています。
ある意味この思想は
今の時代にも何か通づるものが
あるように気がします。
ミニマリストという言葉
物を持たない暮らし
こんな思想もどこか似ているような
そんな気がします。
衣食住のなかでも
住に対する関心が低いのではないかと
思うことがあります。
海外に比べ日本はまだまだ
建築や住まいへの関心が低い様に
感じられます。
これを機会にもっと
建築に対する意識関心が
広がっていくことを期待したいです。